修士課程

「総合アート&デザイン専攻」

修士1▇ 「総合アート&デザイン専攻」(修士課程)カリキュラム編成の特色
修士課程においては、総合教育科目群として基幹科目・プロジェクト科目、専門教育科目群として総合プログラム科目・専門プログラム科目・特別研究(論文または作品の作成のための個別指導)、の5種類の科目で履修が体系化されています。(図4)

● 総合教育科目群
基幹科目のうち、「科学と技術」および「芸術と文化」を統合した「芸術工学論」および、英語による論述と表現を学ぶ「アカデミックリテラシー&プレゼンテーションⅠ」を必修科目としています。
また、プロジェクト科目は、複数の教員が合同で提示するプロジェクトに、異なる専門領域を指向する院生が共同で取り組むもので、アート・メディア・デザインを実践的に学ぶ機会となります。

● 専門教育科目群
各学科における教育と密接な関係を持つ「専門プログラム」に加え、複数の領域に横断的に取り組む「総合プログラム」を提供しています。これらのプログラム 科目は主としてアートおよびメディア分野においては実践を主体としてそれに必要な理論を涵養するべく、一方デザイン分野においては理論の涵養を主体として その理論を実践して確認するべく構成されています。
また、「特別研究Ⅰ~Ⅳ」は院生が自ら選択した研究テーマに対して指導教員の指導のもとに修士論文(作品)制作に取り組むもので、セメスター毎にステップアップする科目となっています。

図4)「総合アート&デザイン専攻」の基幹科目と専門科目の構成

図4)「総合アート&デザイン専攻」の基幹科目と専門科目の構成

▇ 「総合アート&デザイン専攻」(修士課程)における必要修得単位の考え方
修士課程における必要修得単位は、定期的に開催される学内の公開研究発表会・作品展覧会等を有機的に連携させて学位授与へ導きます。
論文・作品制作を行う特別研究を必修20単位とし、基幹科目「芸術工学論」・「アカデミックリテラシー&プレゼンテーションⅠ」の2科目5単位を必修、プ ログラム科目では1科目2単位を選択必修とし、国際共同研究や国際ビエンナーレ等への作品応募、国際会議等への参加の指導を有機的に連携させます。修了に 必要な単位は、その他の選択科目とあわせ合計30単位以上とします。(図5)

図5)「総合アート&デザイン専攻」(修士課程)の履修体系

図5)「総合アート&デザイン専攻」(修士課程)の履修体系

▇ 基幹科目
● 芸術工学論
・プログラムマスタ: 戸矢崎満雄
伝統文化を題材に、その成立から現代生活における位置づけ、および未来への継続の方法として、年度ごとに「文化」をもとにしたテーマを設定し、それに伴い見学・講義を行い、芸術工学について考える。また、ワークショップや実験観察を通して、空間構造と人間の感性の関係、構造物の基本的な原理を学ぶ。さらに、芸術文化と社会との関係に焦点を当て、その意味と意義について考察する。

● アカデミックリテラシー&プレゼンテーション I・II
・プログラムマスタ: さくまはな
芸術工学で必須の国際的なコミュニケーション力ならびにプレゼンテーションのための基礎的能力を身につける。具体的には、日本語でのアカデミックリテラシーに関する演習の後、英語を用いてのポートフォリオの制作やオンスクリーンプレゼンテーションの制作、口頭での発表演習等を行う。参加者の能力に応じた個別演習も交えつつ、英文書類の作成、海外でのワークショップへの参加、展覧会等での発表等、国際的な場でのプレゼンテーションに必要な実践力の獲得をめざす。

▇ 総合プログラム科目
● デザイン&アートマネジメントプログラム
・プログラムマスタ: 谷口文保
自分自身をマネジメン卜するカは、現代のクリエイター(デザイナーやアーティスト)に必須のカといえる。それは、各自の創造の世界を、グローバルな環境、経済、所属する社会、文化、歴史、人間工学といった多様な視点から科学的・客観的に考察し、社会や時代の価値の中に意義づけることでもある。本授業は、各自の「ルーツ(創造の基礎を形成する契機となった出来事) 」を入り口に、考察、ディスカッション、特別講義、ワークショップ、作品制作を有機的に組み合わせて、マネジメン卜力の開発をめざす。

● サステイナブルデザインプログラム
・プログラムマスタ: 小玉祐一郎
地球環境規模で進行する温暖化や人口爆発、環境汚染や資源の枯渇などによって、人類のみならず、人類を含む生物の持続的な生存が危ぶまれるようになった。一方、国内では人口の減少や地方の過疎化が進行し、グローバル化による産業の空洞化も懸念されて、都市や地方の地域社会の持続可能性も問われるようになった。本プログラムでは、持続可能な社会を脅かしている事象についての分析・検討をもとに、持続可能な社会の実現を可能にするデザインのあり方について学ぶ。

● ユニバーサルデザインプログラム
・プログラムマスタ: 相良二朗
年齢や性別、国籍、能カの多寡にかかわらず、誰もが使用できるように設計の最初の段階から使用者の多様性を理解し、デザインに組み入れていこうとするアプローチをユニバーサルデザインという。本プログラムは、相良が製品やまちづくりを題材に、見寺がファッションを題材に、そして佐野がインテリア空間を題材にして、それぞれ人間工学に基づく実践的な演習を行う。座学だけでなく、見学や体験を組み込み、デザインワークショップも開催する。

● インタラクションデザインプログラム
・プログラムマスタ: 尹智博
インタラクションデザインという新しいデザインに対する考え方について理解を深め、いくつかのテーマに基づく制作授業(ワークショップ)を行います。ワークショップは、あるテーマを設定して行われ、数回の指導を経て最終講評会に至ります。地域連携、企業連携、大学間連携など、大学の外部で常に変化し続ける社会との関係の中から新たな発想や新たなデザイン領域の可能性を探ります。講評会は学外のデザイン関連施設など公共の場において、社会に対して公開形式で行われます。

● アジアンデザインプログラム
・プログラムマスタ: 長野真紀
アジア各地で受け継がれてきた様々なデザイン文化は、地域の生活風土、宗教的世界、民族的伝統などと大きく関わりながら、暮らしの中で連綿と受け継がれてきた。日本を含めたアジアの暮らしとデザインについて、複数の教員が文字、建築、祭り、集落、色彩など、それぞれの専門的で多角的な視点、分野から捉えて具体例とともに解説する。さらに世界の中で重要な社会的・文化的役割を果たしつつあるアジアのデザインの意義と役割について考える。

▇ 専門プログラム科目
● 環境デザインプログラム
・プログラムマスタ: 長濱伸貴
近未来の持続可能な社会の構築に向けて、新しいライフスタイルとその器としての空間計画を考える。都市、ランドスケープ、建築の分野にわたる学際的問題として捉え、その実現に向けて、地球環境から建築単体までのスケールにわたって、自然環境・社会環境とデザインコンセプトとの関係、デザインプロセスの構築について考察する。参加学生相互のディスカッション、個人またはグループによるフィールドリサーチ、全員参加によるワークショップ等を通して、具体的な提案を授業の成果物としてとりまとめる。

● 建築デザインプログラム
・プログラムマスタ: 山之内誠
これからの建築のあり方を考える上で重要な4つのテーマ(建築とその集合形式のあるべき姿、建築とテクノロジー、建築と言語、建築とリノベーション)にかかわる講義等を通じて、さまざまな知識や事例を学び、これから実際の建築を設計していくために必要な設計手法やコンセプトについて考察する。建築士をめざす学生に対しては、インターンシップに参加するための基礎知識を得る場とすることも意図している。

● 建築士養成プログラム
・プログラムマスタ: 三上晴久
一級漣築士資格取得試験の試験科目を慨観し、特に量要であると考えられる部分、具体的には、授業内容に示した項目について、集中的に学ぶこととする。一級建築士受験のための専門校の実務者を非常勤講師として迎え、同校のテキストに準拠したものをオリジナルテキストとして用いて授業を展開する。この授業の成績は、最終の試験結果に基づいて確定するが、試験問題の内容は、一級建築士資格取得試験において実際に出題されたものと同等である。本講義受講後、一級建築士資格取得試験に臨む力を身に付けることを目標とする。

● プロダクトデザインプログラム
・プログラムマスタ: 見明暢
企業における商品開発プロセスとデザインワークの流れを学習し、実際に企業に提案までをおこなう実践的教育を主目的とする。関西エリアの地場産業の中からメーカー1社を選択し企業訪問をとおして、開発担当者によるレクチャーを受け、開発プロセスを学ぶ。与えられた様々な条件の中から商品開発プロセスを学習すると共に、素材・加工技術など具体的商品知識の習得を目指す。特に設計作業においては、工学的見地から3D-CAD(Solid Worksなど)による設計、及び3D造型機出力によるモデリングの体験までをおこなう。

● ファッション・テキスタイルデザインプログラム
・プログラムマスタ: 見寺貞子
ファッションデザイン分野は、時代の芸術的感性や最新のテクノロジーを取り込み、人々の生活を豊かなものにしてきた。本プログラムは、これから求められるファッションを視点とした、オリジナリティの高い作品制作を目的とした演習である。リサーチ、問題提起、コンセプト、デザイン、試作、評価の一連のプロセスを経て作品制作を実践し、更なる可能性を模索する。

● ビジュアルデザインプログラム
・プログラムマスタ: 黄國賓
ビジュアルデザインにおける社会的文脈とメディア、および個人的な感性に重点を置き、専門的な実務への対応を前提としたプログラムである。ビジュアルデザイン表現に必須となるコンセプト、技術、クリエティブなどをリサーチ、体験、作品制作、提案などを通じて、多元化の情報社会に求められている総合的な表現力、プレゼンテーション能力をさらに一段階上の創造力を身につけることが本プログラムの目的である。

● イラストレーションプログラム
・プログラムマスタ: 寺門孝之
本プログラムは講義と実習で構成される。過去のイラストレーション・絵画の表現を鑑みた上で課題を設定し、イラストレーションの現代的表現を探求することを目的とする。講義では、現在日本におけるイラストレーションの状況について広く検証し、その歴史的基盤について考察する。講義で得られた知識を前提としつつ具体的な課題に基づいて作品制作を実践し、合評を行なう。

● まんが表現プログラム
・プログラムマスタ: 尹聖喆
まんがの構成における、カメラワークのような映像的表現とコマの表現との関連性について考察し、表現における美的な特性を理解する。また、コマの配置・コマ内部の絵の配置による時間経過の表現を研究することで、コマ割りがどのように時間を空間に置き換えるのかを考察する。また手塚治虫、石ノ森章太郎らの作品を「コマ構成」と「記号性」いう観点から読み解いてゆく。

● 映像表現プログラム
・プログラムマスタ: 吉田雅則
映像及び写真表現に関する実習を目的としたプログラムである。
映像・写真表現に興味があるものの、知識やスキルの不足によって研究を深める事に困難を感じている場合に、実用的なデジタル技術など、様々な映像表現に関する技術を獲得することをプログラムの主な目的とする。映像・写真による表現においてはデジタル技術の変遷によって制作手法が多岐に渡っており、表現のフィールドによっても全く異なっている。本プログラムにおいては、可能な限り履修する学生の意向を汲んだ上で担当教員を選定し、必要な技術の習得及びそれを生かした制作・実習を行うことを方針としている。

● 現代アート&クラフトプログラム
・プログラムマスタ: 谷口文保
美術・工芸作家に求められる表視力と企画力を、演習を通じて総合的に練磨することを目的とする。現代アート・クラフ卜の領域には絵画・彫刻・陶芸・ガラス・金属造形などの分野の他にフィギアやインスタレーションもある。あるいは、今目的な社会性をふまえて、ワークショップやイベン卜などの実施も目的となりうる。年ごとの、また個々のテーマを設定して作品を制作し、作品展による発表を計画する。また、専門家を招いた講演会やワークショップを開催し、現代アー卜・クラフトやテーマへの理解を深める。

▇ 特別研究科目
● 総合アート&デザイン特別研究基礎
「本学協定校・クムルス加盟校対象留学生国外受験入学試験」で後期に入学した留学生を対象とした特設コースとして開講する。該当者は必ず履修しなければならない。履修生は後期の半年間を通じて指導教員の指導の下に、自ららが設定した特定課題について研究や調査を行い、その成果を作品またはレポートとしてまとめ、指導教員に提出する。修士論文(作品)の準備段階となるもので、授業はゼミナール形式で行われ、必要な学修等をもって所定の単位とする。

● 総合アート&デザイン特別研究 I・II・III・IV
2年間を通じて指導教員の指導の下に、特定課題について研究し、その成果を作品または論 文としてまとめる。修士論文(作品)のステップとなるもので、授業は必要な学修等をもって所定の単位とする。特別研究 I→II→III→IVと順次履修し、2年次末に修士論文(作品)を提出して、合否判定を受ける。テーマは学生自身が専攻しようとする分野において、指導 教員の指導を受けながら学生自身が設定する。
研究科発表会は、この一環として行うもので、研究遂行のマイルストーンとなるものなので、必ず参加して研究の進捗状況を発表しなくてはならない。